飲食店のお姫様
新しくバイトを始めた。
家族には言ってないし、友達にも1人にしか言ってない。まあ、飲食店だからそのうち誰か経由でバレそうだけども。
暫くは自分の時間がほぼ皆無になるけど、まあ……これも自由を得るためだ。
とか言って、操作ミスでおっきな損をした悲しみ……(FXのお話ね)
飲食店のバイトにはお姫様がいると思う。
多くの場合は、それは、経営者の妻、つまりママさんってやつだったりする。
あの人種は若いうちにお嫁にいって、ほぼだいたい自分の思い通りに何でもなる環境で、
お店を切り盛りするわけだから相応に大変な想いをしているのは分かるけれども、
「私は気をつかってる!」
と、言うほど遣えていなかったりする。
高校生の頃にバイトをしていた店のママさんは、まだ十代だった私のことを「大人だね」なんて言ってたけど、私に言わせればあなたがいつまでも少女なだけだ。
キャッシュカードの使い方も知らんと来たからびっくりする。
そういう人は、新しく入ったバイトに、お店の全てを説明しようとする。
自分が何十年もかけて覚えて来た全てを、マニュアルもないのに口頭で伝えようとする。
覚えられるわけねーだろw
そして、「入ったばかりなんだから、何年もやってきた人と同じに出来るわけがない」という当たり前のことを、全く理解していなかったりする。
笑う。
あと果てしなく気分屋である。
あれ、前にはこんな風に言っていたような……なんてことは一切通用しない。
だから聴いてる方は、
言われた通りにハイ、ハイ、って言ってやる。言われたことは、とりあえず近々に必要なものと、レアケースとで分けなきゃいけない。
チェーン店なんかはそこらへんがマニュアル化されてて楽だけど、家族経営の飲食店なんかは往々にして最初に全てを押し付けられて混乱する。
まあ、わたしは言われたらすぐ出来るわけだけど。
そして、ママさんが穏やかでもそうじゃなくても、長くソコに務めている女の子なんかも、お姫様化していることが多い。
今回バイトを始めたところにも、居たよー。お姫様。
高校生のバイト達に上から目線で絡み、他の年配のスタッフさんたちにウザがらみ。
入ったばかりの私の目の前で他のバイトの悪口を言ってるあたり、あまりアタマが良いようには見えなかった。
というか、どう見ても頭は悪そうだった。
男性スタッフさんは調理担当の人ばかりで、彼らはお姫様に甘い。
お店のマスターと、もう一人、中年の冴えないおっさんが居るわけだが、その人にさえもウザ絡みしてるあたり、男性と絡むのが好きなんだろう。
居るよね、そういう人。
んで、すぐに彼女がお姫様だと見抜いたわたしは、今日一日で彼女をアゲた。もちろん、媚び諂う感じにしちゃうと誰でもイヤな気持ちになるから、適度に。
とは言え、私の方が頭もいいし、私の方が美人だから、アゲてあげようにも自分のドジなエピソードを披露するくらいしか出来なかったけど。
帰り際に、今日一日ありがとうございました❤って言っておいたので、悪い気はしないだろう。
彼女にだって先輩としてのプライド(笑)があるのだから、
ただ怖いのが、他の男性スタッフのお姫様扱いベクトルが、少しでも私に向いてしまった時だ。
男だもの、目新しい方が良いに決まってるし、私は初日から言われた仕事はだいたい出来てたし、
もし理不尽に怒られても、飲食店はお姫様の八つ当たりの的になることも仕事のうちだと思っているから気にしないけど(まあ多少はヘコむけど、そういうものと思ってるから・・・。)
そうじゃなくて、男性陣の可愛いもの扱いの対象が、私になった時……旧お姫様はわたしに牙を剥くだろう。
そういうときは……さりげなーく、お姫様扱いを辞退して、旧お姫様をそっと持ち上げてあげればいいんだろうな。
とは言え、タイミング的に難しいこともあろうし、
もしかしたら私が出勤してない日とかに、不可抗力でお姫様の機嫌を損ねてしまうかもしれぬ……そうなるとツライなあ。
別のお店で、自分がお姫様扱いだった時もあった。
他は年配の方ばかりだから仕方なかったし、でも私は傍若無人に振舞ったりはせんかったぞ。
ただ、そういう扱いを受けている自覚があったからこそ、
自分じゃない誰かが飲食店のお姫様となり、
「〇〇(一人称はもちろん自分の名前)ねえ、昨日さあ」
なんて言ってるのを聞いていると、滑稽で滑稽で仕方ない。
正直、吹き出しそうになるくらい面白いw
もし、そのうちお姫様たちの牙が私に向けられたら、内心で笑わせてもらった時のことを思い出して堪えようと思う。
明日もがんばろ~